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「かのじょにかくれてダンスしちゃだめだよ」 ----問題のない国の憲法より---- 空を飛んでいました。 下には海が見えます。海というよりも青といったほうがいいかもしれません。どこまでも同じような光景が続いています。おなじものばかり見ていたので時間の感覚を失いそうな気がしました。自分が大地ではなく、もっとべつなものを越えようとしているという思いが彼女にはありました。三つほど前の座席にはばあちゃんが座っています。どうやら、ポッキー(いちご味)を食べているようです。 目深にかぶった帽子から彼女はそのばあちゃんの様子をうかがっていました。 ばあちゃんは窓の外に目を向けることなく一心にポッキーを食べています。 耳を澄ますと、どうやら隣の男性となにやら会話をしているようです。彼女はその会話を聞こうとして幾分体を前へとかたむけました。 「あんた、どこへ行くねん」とばあちゃん。 スーツ姿の男性はすこしとまどったようでしたが、ばあちゃんの堂々とした態度に、ただものではないという気配を感じ、「ちょっと仕事である国へ行くのです」と答えました。 「ある国ってどんな国やねんな、あんたよかったらポッキー食うか?」 「ええ、じゃあいただきます、ある国ってのは、問題のない国のことです」 スーツ姿の男性はそう言うとばあちゃんの手からポッキーを一本抜きました。 「そらええ国やな、問題のない国ってのは。それでこの飛行機で行けるんか?」 「ええ行けますよ、この飛行機は問題のない国への直行便ですから、おばあさんは問題のない国に行くつもりでこの飛行機に乗ったんじゃないんですか?」 「しらんがなわしは、ただ海を越える飛行機にのっただけ、もう一本食うか?」 「ええ」と言ってスーツの男性はポッキーをもう二本とりました。「このお菓子おいしいですね、」 「いちご味だからな」とばあちゃんは満足そうに答えました。 「それであんた、どんな仕事しにその問題のない国に行くんや?」 「じつは、」とスーツの男性は言いました。「あまり大きな声ではいえないのですが、私は政府の使いのものでして、こんどその問題のない国に行ってですね、どうすればなにも問題がない国にできるのか調査する予定なのです。いちおう政府の密使ということになってますので、誰にもいわないでくださいね」 「ほほぉ」とばあちゃんは言いました。「いろんな仕事あるねんなぁ、しかしあれやな、なんでその問題のない国までいかなあかんのやろな」 「だからその、私達の国の問題をなくすために参考にするのです、なにせこれから行くその問題のない国ってのは、世界で一番問題のない国なのですから、おばあさんも気をつけたほうがいいですよ、その国でちょっとでも問題を起こしたらそりゃあ大変なことになりますからね」 「しかしなにもわざわざ行かんでもええやろに、」 「しかし、我が国にはいろんな問題がありますから、なんとかしないとと思いまして」とスーツの男性は力を込めていいました。 「ようするに、その問題をなくせばええのやろ?」とばあちゃん。 「ええそうです」 「だったら、、」 「だったらどうすればいいですかね、おばあさん」 ばあちゃんはポッキーの袋をしまうと言いました。 「解決すればええやろ」 飛行機はまっすぐと、問題のない国へとむかっています。彼女は背後からばあちゃんのその会話を聞きながら、わくわくしていました。なにがなんでもばあちゃんの旅を見届けてやろうという決意がますます強くなったのでした。 いよいよ、ばあちゃんの旅がはじまったのです。 「紅」はじいちゃんの指導のもとで梅酒をつけていました。 ばあちゃんが旅立ってから一週間目のことです。 梅酒用の瓶を庭に10個ほど並べ、紅は縁側に座ったじいちゃんに尋ねました。 「おばあさん元気にやってるかしら ?」 いつものように遠くから鳥の鳴き声がします。穏やかな日でした。 「まだ始まったばかりやろ」とじいちゃんは言いました。「この梅酒が飲めるようになる頃には。。。。。。。」 「帰ってくるかなぁ。。」と紅。 じいさんはぽつりと言いました。「わからん、あのおなごだけはようわからん」 紅は梅をかじりました。 コンビニの弁当を広げると青年はコンピューターのスイッチを押しました。 ぼんやりとモニター画面を見つめています。 彼女とばあちゃんが旅に出た後、青年は料理も仕事も手につかない状態になっていました。ぽっかりと心に穴が空いたようで気持ちが沈みがちになってしまったのです。 ぼぉーとしたまま、メールのチェックをしていると3通ほど受信メールがありました。一通は仕事の件で、明日の打ち合わせの場所の確認でした。二通目は大学時代の友人からのもので、ひさしぶりに大学のサークル仲間と飲みにでもいかないかという誘いでした。青年にはもちろんそんな誘いを受けるだけの元気が今はありませんでした。だから、すぐさま「今は仕事が忙しくそれどころではないんだ、悪いけどまた時期をみて誘ってくれ」とだけ返信しました。 そして、三通目。 そこには、差出人に彼女の名前がありました。彼女が旅にでてからの初めてのメールでした。青年はコンビニの天丼を食べる箸を止め、食い入るようにそのメールを読み始めました。。 彼女からの文面は「その後お変わりありませんか?」という、まるで卒業してから初めて便りを出す女学生のような書き出しで始まっていました。青年は涙ぐみながらも目をこすりこすりしながらその文面を追いました。彼女とばあちゃんが旅に出てからすでに一ヶ月がたっていたのです。 ----親愛なるあなたへ---- その後お変わりはありませんか? メールを出すからねといっておきながら、もう旅にでてから一ヶ月もたってしまいました。すぐにでもお手紙を出したかったのですが、こちらの国に慣れていないことや、小さなトラブルがあったりで、出せませんでした。ごめんね。あなたが心配しているだろうことは、自分があなたの立場にたった時のことを思えば痛いほどわかったのですが、日々の流れは早いもので、もう一ヶ月もたってしまいました。 今、私とおばあさんは「問題のない国」にいます。 今の私達の状態をかいつまんで説明しておきますね。 思った以上におばあさんは行動的で、この国に入国するやいなやホテルではなくアパートを借りてしまいました。とても小さなアパートで、そこの一階に間借りしているのです。私のほうはと言えば、そのアパートから10メートルほど離れた少し程度の良い一軒家を借りています。双眼鏡でおばあさんの部屋が見えるくらいの距離です。と言ってもおばあさんと会うわけにもいかないので あまりアパートには近づかないようにはしているのですが、いつ何時おばあさんが又旅立ってしまうかと思うと、気を抜く暇もありません。尾行っていうのも大変なものですね。よく探偵ものの映画とかテレビで見ていると、尾行中にアンパンとかカップ麺をたべたりしている光景を見るけども、実際はそんなことできないようです。なにせ、おばあさんは精力的な人で、すでに近所の人から畑を借りて野菜を作っているくらいなのですから。。ほんとあなたのおばあさんってすごいです。 さて、さっきも書きましたが、ここは「問題のない国」です。 すこしこの国のことを説明しますね。とても変わった国なのです。なにせこの国には生活する上での問題がまったくないことになっているのですから。。。 この国の憲法の第一条はこんなふうな一文なのです。 --かのじょにかくれてダンスしちゃだめだよ-- 憲法というよりも法律のようなものなのですが、私はこの国に入国した途端、この決まりを印字されたバッチを胸につけられました。だから道行く人々みんながこの「かのじょにかくれてダンスしちゃだめだよ」の書かれたバッチを胸につけているのです。女性が「かれしにかくれてダンスしちゃだめだよ」なのかどうかはわからないのですが。。。最初は冗談かともおもったのですが、生活もすこし慣れてきた最近では私も外出するときはかならずそのバッチをつけて歩くようになってしまいました。ようするに、この国の人達から言わせると、「あらゆる問題は、かのじょにかくれてダンスすることから生じる」ということらしいのです。 建前上か実際になのかはまだわかりませんが、この国には問題というものが一切ないということになっています。人々は問題という言葉を発することも許されてはいませんし、そんなものは生まれてこのかた一回も見たことがないと口々に人はいいます。 もちろん、かのじょにかくれてダンスしないからこそこの国には問題が一切ないということになっているのですが。。。みんな男性はかのじょにかくれないで堂々とダンスしているようです。もちろんダンスホールだってあります。 憲法の第二条文はこんなふうになってます。 --この国に問題は一切ない、 たとえ世界が消滅しようとも-- そして、第三条はこんなへんてこな文です。 --猫の笑顔を見たら、隣人に報告せよ-- まったくもって不思議が国ですが、今のところ生活するのに不自由はありません。おばあさんがいつまでこの国に滞在するつもりなのかはわかりませんが、大切なあなたのおばあさんです。かならず私が最後まで見守るつもりですので心配しないでくださいね。私のほうもあなたにかくれてダンスするようなことはしませんから(^_^ ) それでは、またなにか変わったことがあったら、いえ、かわったことがなくてもお手紙書きます。あなたも体にはくれぐれも気をつけてください。 私はいつもあなたのことを思っています。 またね。 青年はメールを読み終えると、一週間前に部屋に飛び込んできたまま居着いてしまった猫の顔をみつめました。猫に名前はまだありません。 にゃあー。 猫が笑ったように見えました。 --猫の笑顔を見たら、隣人に報告せよ-- 言うまでもなく今の青年に隣人と呼べる人は今、いませんでした。 ばあちゃん3はこちら
by plusmoon
| 2009-08-10 22:43
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